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サングラまでの道のり
前編で「つづく」と書いておきながら、ずいぶん時間が経ってしまいました。。。
ヒマラヤの旅、後編はナルカンダ(Narkanda)→サングラ(Sangla)のことを書きたいと思います。この間、百数十kmしかないのですが、道路が悪いこともあって時間がかかるかかる。。。ウネウネと蛇のような道を走り、目的地に着くまで半日以上かかる、タフな道のりでした。
何となく雰囲気を感じてもらえればと、動画をアップしてみました。流れてくるインド音楽とともに、落ちたら絶対死ぬガードレールの無い道のりをお楽しみください。
森の中を走るこれまでの道のりとは違って、サングラへ向かう道中は石と枯れ木ばかりの寂しい景色が続きます。時々落石が道を塞いで立ち往生することも・・・。

それでもサングラに着くと、針葉樹の森と、何よりも白く美しいヒマラヤを仰ぎ見ることができて、一気に気持ちが盛り上がったことを思い出します。それにしても、長い長〜い道のりでした・・・。

サングラのお宿
宿泊したのは、山道からウネウネと下った川沿いの平地のテントです。写真左側の川沿いの平地に見える、びっしり密集した黒い枝のようなものは、実はりんごの木。

宿はりんご畑に設置されたテントでした。3食付き、部屋の中にトイレ、シャワー有り(ちゃんとお湯が使えた)、これでだいたい1泊2,400INR(約4,000円)。

食事はすっごく美味しかったけれど、出てくるまでえらい時間がかかってました。
“厨房に人が数人いても、働くのは一人か二人で時間がかかる”というのはインドでは良くあることですが、なんと言うか輪を掛けて遅い、本当のスローフード。
夕食なんかは、最初のスープが出てから次の料理まで20分後くらいかかるような感じだったので、お客さんはみんな食堂(テント)でスープを食べた後、一旦自分の部屋に戻って布団に包まり寒さを凌いで、次の食事が出た頃にまた食堂へ行く という、そんな感じでした(段取りが悪いんだろうな、きっと)。
もう一つ、ものすごく印象に残っているのが、時々ふるまってくれるりんごジュースが凄く美味しかったこと。味わいは我が家の「つがる味」に似た感じかな。インドのりんご農家、侮りがたし!


最果ての町チトクル(Chitkul)
今回のルートで行ける最後の町、チトクル。静かな、のどかな集落でした。
住民は無口そうな感じ。ヒマラヤから流れてくる水と共存していて、集落のあちこちで水力式のグラインダーを見かけました。これで挽いた粉を使って作るチャパティは絶品なのだそうです。

牛が水を飲み、その横で洗濯するおじさん。この辺の牛は動きが緩慢なデリーの牛と違ってアクティブ!





チトクルから更に歩いて北上すること2時間、インド軍の駐屯地を発見し、カメラを持ってフラフラと近寄る私を確認した兵隊さんがこちらへ向かってきて、何でカメラなんか持っているんだ、基地の写真を撮ってないだろうなと怒られました・・・。
とりあえず、基地の写真は撮っていないからと説明し、せっかく日本から来たから、兵隊さんと記念写真撮らせてよと伝えたところ、welcome!とのことだったので(それは良いのか・・・)、基地とは反対側の風景をバックに、記念写真をパシャリ。

このインド軍の駐屯基地はインド国境沿いにあり、ここから更に120kmほど進むと中国軍の基地があるそうです。インドの基地と中国の基地との間の空間は、どちらにも属していないエリア みたいなことを言っていたかな・・・。とりあえず歩ける限界まで来れたということで、満足して帰りました。
ただ、チトクルまでの帰り道、牛に威嚇されておっかない思いをしました。デリーの道ばたでゴミを食べている無気力牛と違って、この辺の牛は逞しかった・・・。牛を舐めたらアカン。

ヒマラヤハーフマラソン
そもそも今回ヒマラヤくんだりまで旅してきた目的の一つがヒマラヤハーフマラソンに参加すること。インドに来てから趣味で始めたマラソン、せっかくだからインドならではのところで走ろう!と思い立ったわけですが、もちろん賛同する人は皆無。で、寂しく一人で来たというわけです・・・。
標高3,500〜4,000mのという、富士山の頂上みたいなところを走るということもあって、ハーフマラソン本番の3日前から現地入りすることが義務づけられていたことに加えて、ハーフマラソン開催日の2日前には、メディカルチェックと称して10kmの山登りRunをしなければならないという(現地に着いてから知った)、何ともドSな大会でした。
まずは10km Runですが、「これマラソンじゃないよ〜、登山だよ〜」と終始ツッコミながら走ってました。ロッククライミングあり、雪山登り&滑りありで、ホント心底疲れました。コース途中にある雪山は、足を滑らせると川に落ちるような場所でホント怖かった。危機管理意識皆無かっ!
ちなみに山なのでコースが本当にわかりにくくて、みんな道に迷いまくってました。運良くそれほど道に迷わなかった私は、なんと3位/20名でゴール(笑)
住宅街では道に迷うけれど山道ではあんまり迷わないという、農家の長男の特性が活かされました。


メインイベントのハーフマラソンには、全インド12.4億人の0.00000001%にあたる13名が参加。そして何故かその中に一人いる日本人。「わざわざこんなところまでマラソンしに来るなんて変わった人だねぇ」と言われつつ(てかお前もな)、少人数ならではの和気あいあいとした感じで、これはこれで楽しかったです。
コースは、前半10kmずーっと登りというしんどいコースでしたが、その分後半10kmずっと下りなので楽ちんで、シーンと静まった山道を景色を楽しみつつ走ってきました。
それにしてもインドの給水所にあるスポーツドリンク、美味しくない。ただでさえ美味しくないのに誰かが気を利かせてスパイスと塩も入れてやがったくださっていたので、この世の飲み物とは思えないおぞましい味でした!でも飲んだけど。


そんなこんなで
本当は他にもあちこち行ったのですが、さすがに長くなってしまうので割愛!
間もなく家族がインドに引っ越して来るので、とりあえずその前に、家族がいたら絶対行かないであろうヒマラヤへの旅をチョイスしたのでした。
本当は家族とも一緒に行ってみたい場所だなぁと思ったけれど、8日の休暇のうち4日を車の移動(しかも悪路)に費やしたことを考えると、もう行くことは無いんだろうなぁと思います。
ということで、もうすぐインドに来て1年になりますが、今のところまだ元気です!ではまた次回!
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