インドには2013年時点で29の世界遺産(うち文化遺産23、自然遺産6)があります。
せっかくインドにいるのだから、あちこち回ってみないともったいない。
ということで、どこまで行けるかわかりませんが、インド世界遺産編。
最初はみんな知ってるタージマハルから。
実はタージマハルは我が家から3時間ちょいの距離にあります。
デリーからは頑張れば日帰りプランを組めるので、出張でデリーに訪れる人にも人気。
ただ、いざ行くとなったら、タージマハルって結局なんの建物なんだっけ?と思ってしまって、改めて色々調べてから行ってきました。
事前予習
- タージ・マハル(Tj Mahal)はムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが36歳という若さで亡くなった奥さんのムムターズ・マハルのために建てた総大理石のお墓。
- 建設には約20年要し、常時2万人が工事に携わっていた。建材はインド中から象で運ばれた。一部宝石類は外国から取り寄せた。
- 総額いくらかかったかは諸説あるようだが、wikipediaによると、建設当時で500万〜4,000万Rs。昔の資料を探って計算してみたところ、大体1,000億円となったけど・・・。(当時は1Rsで小麦が80kg買えたそうなので、これをヒントに計算。2013年10月時点小麦の価格が326US$/トンなので、キロ0.3ドルとして、当時の1Rsはざっくり25US$と仮定。一番高い4,000万Rsのケースだと、10億US$になるから、約1,000億円?? ちなみにスカイツリーの総事業費は約650億円。奥さんの墓にしては確かに高いけど、「国が傾く程お金をかけた」という話もあり、全然計算が合っていないかも。)
- 入場料は、インド人が20Rs、外国人は750Rs・・・。
- 大気汚染によるタージマハルの損傷が問題になっており、周囲1km以内にガソリン・ディーゼル車は入れない。
- 王は晩年、息子によりアーグラ城塞(Agra Fort)のムサンマン・プルジという塔に幽閉されてしまう。ちなみにアーグラ城塞も世界遺産。
- タージマハルからアーグラ城塞までは約1kmの距離。
当日
レンタカーを借り、高速道路を使って目的地のアグラまで。高速を乗っている間(約2.5時間)、ずーーーっと直線かつ単調な風景なので、結構飽きる。ただ、アグラ市内に入り景色が町っぽくなってくると、だんだん雑然としてきて楽しくなってくる。デリーとは違って道路を歩く牛の数が多い。。。牛以外にもいたるところに動物(犬、猿、馬、イノシシ・・・)。
川沿いの牛の大群 たまに行水している牛もいたり(ちなみにヤムナー川)
タージマハルから1kmほど離れたところの駐車場に到着。
予習どおり、ここから先は車で行けないということで、車を降りると営業の嵐・・・。
駐車場からタージマハルまでの1kmの交通手段を提供する人、自分のガイドがいかに素晴らしいかをアピールする人、まだついたばかりなのに「旅の思い出に」とお土産を売りに来る人、単に寄付を求める人、人人人・・・。
こちらが正規の移動手段バッテリーリキシャ(わずか10Rs、タージの入場券を買えばタダで乗れる)
ようやくタージマハル入り口に着いた!と思ったら、今度はタージマハルに入るための長い行列にギョッとする。最後尾が見えない・・・。実はドライバーが寝坊したため予定より1時間到着が遅れたのだけど、午後になればなるほど混雑するのだそうな・・・(この日は11時半くらいに到着)。
ただ、並んでいるのは現地の人(チケット20Rs)で、外国人は高額なチケット(750Rs)を買わされる代わりに、高額チケット購入者専用のルートからショートカットできる。
最初はショートカットのことを知らず、これを並ぶの??と途方に暮れた・・・
色々あったけれど、いよいよ内部へ。
中に入ると、インドではなかなか見ないキレイで鮮やかな緑の景色が広がります。
そしてエントランスをくぐると、これがあの有名な・・・・。
初めて見たときの感想は、思ったよりも大きいなぁ と。何とも言えない存在感を感じます。
定番のアングル、人の大きさから実物の大きさが感じられるでしょうか。。。
壁面に描かれている蛇みたいな黒いものはコーランの文字。
遠くからは分かりづらいですが、壁面は細かく美しく彫られ、様々な模様が表現されています。
壁面に彫られた植物の模様、上下の花や蔓は実は瑪瑙やベリルなどの貴石でつくられている
タージマハルはお墓なので、中にはシャー・ジャハーンとムムターズ・マハルの棺が安置されています。実は左右対称にこだわるタージマハルにおいて、棺の配置は左右対称じゃないんですよ。残念ながら写真NGなので掲載できませんが・・・(みんなバシバシ撮ってたなぁ)。
実は霊廟の中は、棺も気になるところですが、壁面や囲いの装飾がきれいなんです。貴石で様々な植物が表現されています。ぱっと見分からないのだけど、どこからともなく表れた謎のおじさんがLEDライトで色のついた石の部分を照らすと、赤、黄、緑、青といった様々な色が鮮やかに輝き、これらが貴石から作られていることが確認できます。特筆すべきは花の表現で、花びら1枚1枚微妙に色がことなる貴石が埋め込まれることによって、美しいグラデーションを表現しています。よくこんなに手間を掛けたものを作ったなぁと驚くばかり(ちなみに風のように表れるおじさんは、予想どおり最後にお金を要求してきます)。
中の装飾の様子がなんとなくわかるサイトがあったので、参考としてリンクします(「写真でイスラーム」さん)。
ちなみに霊廟に入る時、インドの人は靴を脱ぎます。外国人も靴脱いで入っても良いのだけど、みんな靴カバーみたいなものをもらって入ります。ちょうど写真の右下の人みたいな感じで。
そんなこんなで霊廟のまわりは靴だらけなんだけど、よくこれで紛失しないなぁとちょっとビックリ。
で、せっかくの機会だからと欲張って、もう一カ所アーグラ城塞にも足を伸ばしてきました。
赤砂岩で作られた赤い城。本当に赤い。
ここでの目的は、なんと言ってもシャー・ジャハーンが幽閉されたムサンマン・ブルジ (Musamman Burj、囚われの塔)の見学と、この塔からタージマハルを眺めて、シャー・ジャハーンの行動を追体験すること。
ムガル帝国第5代皇帝のシャー・ジャハーンは、自らの三男アウラングゼーブにより王位を追われ、この城に幽閉されました。晩年、シャー・ジャハーンは最愛の奥さんのために作ったタージマハルをこの囚われの塔から眺めていたと言われています。
今回の旅で、もっとも長く佇んでいた場所でした。
旅のお土産
写真は「ペタ」というお菓子。アグラ地区で有名なお土産品らしく、インド人の同僚から買ってきてと頼まれたものです。
なかなか説明が難しいですが、冬瓜をシロップ漬けし、それを更に砂糖でコーティングした食べ物。ベーシックなタイプは白色のもので、サフランが混ざると黄色、他の緑とか赤は・・・何を混ぜているんだろう・・・。ちなみに500gで300Rsくらい。
食べるとこれがまた頭が痛くなるくらい甘い。500gを一人で食べるのは拷問に近いように思うのだけど。
冬瓜だけあって食感はサックリ・・・と思いきやそれだけではなく、噛んだところからものすごく甘い汁がジュワ〜〜〜っと。噛めば噛むほど甘い。どこまでも甘い。
ああ、思い出したら口の中に独特の食感とウッとするような甘さが蘇ってくるようだ・・・。
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